プロのウラワザこっそり教えます

DIYで綺麗に仕上げるポイント
注意:ここで説明している事は塗装を自分でやってみたい人のための物です。ただし、状況や使い方などによってはちゃんと直らない場合があります。板金塗装は思っているほど簡単な物ではありませんので実際に作業を始める場合は時間と手間がかかる事を覚悟してから行なってください。なお、ここに書いてある事を実行して起きた失敗、ケガなど被害があった場合でも当方は一切の責任を負いません。全て自己責任において行なってください。
全てを良くご理解をして頂いて作業をしてください。

綺麗に直したい方はプロの板金塗装屋さんに頼みましょう

下地編

仕上がりを綺麗に見せるには、もちろん上塗りの艶も大事ですが、プロに言わせると「下地がちゃんと

決まっていないとどんなに良い材料を使って綺麗に仕上げても、良く見えないんだよなー」これが、

大多数のプロの意見です。(まあ、中には気にしない人もいますが)ですから、下地だからと言って

手を抜かずに、根気よくやりましょう。まずは、直す場所によって変わってきますので、自分の作業

する個所にあわせてご覧ください。外板ボディーパネル(鉄板のところ)・ 樹脂部品(バンパー、

サイドミラー、ガーニッシュなど、PP又はウレタン部品)・FRP部品(社外のエアロバンパー、スポイラーなど)

point1:修理する個所の見極め

まず、どこをどう直すか作業に取り掛かる前に頭の中で考えましょう。出来れば手間をかけずに

直すのが一番です

ですから、

  1. コンパウンドで磨いて取れるか(傷に見えても意外と磨いただけで取れるものもあります)
  2. サフェーサだけで取れる傷か(パテをつけないでサフェーサだけで取れれば、ラッキーです)
  3. パテをつけなくてはならない傷か(指で触って凸凹が確認できるようであればパテをつけましょう)
  4. 穴があいていたり、亀裂は入っていないか(裏から樹脂等で補強してからパテを付ける又はなく               なってしまった部分を作る)
  5. 全体的によじれている又は、亀裂などが多数あったり凹みが多数ある(この時はあきらめて                  新品部品か中古部品を探しましょう)

 

point2:外板パネルの傷、凹み

point1でどの部類に入るか確認したら、早速作業に入りますが、1、4、以外のものが対象になります。

まず、へこみの場合ある程度凹みを直さなくてはいけないので、簡単に凹みを出せる「デントールブロック」

「ケミカルプーラー」を使用します。これば補修のところでも説明していますが、へこみの部分をシリコンオフ

(油分を取り除く溶剤)で掃除して、ドライヤーなどでその部分を暖めます。熱くなったらデントールブロックを

その部分につけると熱で溶け出します。少し解けたら水やエアーで直ぐに冷ますと、溶け出した部分が凹み

にピッタリくっ付きます。良く冷めてる事を確認し、ゆっくり引き出します。ここで一気に強く引っ張ると剥がれ

たり、凹みが出すぎることがありますので注意しましょう。この作業を数回繰り返し行い、大体へこみが直っ

たらパテ付けに入ります。

 

point3:全ての部品に対するパテを付ける前処理

パテを付ける前に塗膜をはがします。全ての部品に共通していますが色をはがす際にはキワがなだらかに

なるよう(フェザーエッジ)削ります。綺麗にキワが取れていないと、仕上がったときにパテ跡が出たりします

ので時間をかけて良くやってください。剥がし終わったら、シリコンオフで油分を取り除きながらエアーガンな

どで埃を飛ばします。これを怠ると、剥がれ気泡などさまざまなトラブルが起こる可能性が出てきますので注意。

バンパーなどの樹脂部品は、粗いペーパーで研ぐと表面がけばだってしまい、その上にパテを塗ると密着不良

を起こしますので荒いペーパーで研いだ後には必ず240〜400番くらいのペーパーでならして、ケバケバを

取り除いてからパテをつけます

  

point4:パテを選ぶ

部材にあったパテを選びます。バンパーなどの樹脂部品はPPなどにも密着が良く、柔軟性のある「バンパーパテ」

を使います。FRPの場合は傷を拾うくらいであれば、鉄板用のパテで良いのですが強度を必要とする個所(穴の空

いた所や欠けてしまった部分)は「ファイバーパテ」と言う強度のある固いパテを使います。これは厚盛りがききます

が硬いので最初だけ使います鉄板は「板金パテ」を付けてから「ポリパテ」で仕上げます。板金パテの特徴は強度

があり厚盛り出来るが、スアナが空き易いため、仕上げには向かないのですが、ポリパテは強度的には多少劣り、

厚盛り出来ないがスアナが出来ずらく、研ぎやすい特徴があります

 

パテ一覧

ファイバーパテ、カーボンパテ  板金パテ  中間パテ → ポリパテ → ラッカーパテ(出来るだけ使わない方が

いいが使う場合はサフェーサの上)

 硬い、厚盛り、スアナあり     研ぎやすい、薄付け、スアナなし

 

上記をみて自分の作業にあったパテを選んでください

 

 

point5:パテを練る

パテの主剤を固いダンボールや鉄板の上などに使う量だけヘラで取ります。そこに硬化剤を混ぜますが、配合は

主剤ゴルフボール1個くらいに対し、パチンコ球1個位が理想的です。

ここで、直ぐ混ぜ合わせないで付ける部分の近くまで行き、どんなふうに付けるか頭の中で良く考えます。まとまっ

たら初めてパテを練り始めます。混ぜてからあれこれ考えると付け終わる前に乾き始めてしまいなかなかうまく

付けられないことがあります(私がそうでした)混ぜ始めたらまだらにならないように良く混ぜてください。まぜ足りな

いでつけると乾燥不良、ニジミの原因になります。

  

point6:パテを付ける

最初は平らに付けると言うより、良く密着させる為しごきながら付けてください。全体にしごき付け出来たら形を

整えていきます。ひとつの方向からつけると必ずスアナが出来ます(これはパテの中に入ってしまっている空気

が出てくるからです)綺麗につけ終わったら付けたのと反対の方向からヘラでそっとなぞります。これをすることで

スアナはある程度埋まります。いい感じになったら乾く前に必ずやめてください。どうしてもぎりぎりまでいじってし

まいがちですが、乾き始めてから触るとパテを引きずってしまい筋だらけになり研ぎが大変になります

  

point7:パテの乾燥

ヒーターなどがある人は、指触乾燥後に強制乾燥させてください。塗った直後にあぶるとパテがもろくなったり

剥離することがありますので注意が必要です。乾燥機のない人が大多数だと思いますので太陽のあたるところ

に出してタバコでも吸いながら気楽に待ちましょう

 

point8:パテの研磨

最初は荒いペーパーで削っても良いのですがパテも周りにペーパー目が飛び出さぬようガムテープを張ったり

しながら研ぎましょう。あまり大雑把に研ぐと、塗らなくても良いところまで傷が広がり大変になります

板金パテは60番〜180番位のペーパーを段階的に使い傷を浅くしていきます。ポリパテは120番〜240番

くらいを段階的に使います。パテが終了したらその上を400番位のペーパーでサフェーサがかかるとこまで

広めに足付けします。平らにパテを研ぐのはとても難しいです(職人が何年もかかることです)ですからあせらず

ゆっくりやりましょう。パテを研ぐ当て版はなるべく硬い物で面積にあった物が良いでしょう

 

水研ぎはあとでトラブルの原因になりますので、パテはなるべく空研ぎしましょう

 

point9:サフェーサの準備

サフェーサを塗る前にやることは、パテの研ぎかすを綺麗にエアーブローしてシリコンオフで油分を取り除きます。

他の部分に飛ばないように、テープと紙を使いマスキングします。テープはマスキング用テープを使用しますが、

紙は新聞紙など何でも良いでしょう。400番で研いだ部分より少し広めに紙を貼ります。

ここで使うサフェーサの種類ですが「2液ウレタンサフェーサ」か「1液ラッカーサフェーサ」「バンパー用サフェーサ」

を使いますラッカーサフェーサとバンパー用サフェーサはスプレータイプもありますので気軽に使えますが、

コンプレッサーを持っていて、スプレーガンを使える方は出来るだけ2液サフェーサを使うことをお勧めします。

これは硬化剤が入るタイプで、肉痩せがなく、厚付けが出来るためペーパー目が出にくく仕上がりが良いです 

塗り方は一度に厚塗りしないで数回に分けます。一度塗るたびに少しずつ時間を置きながら塗らないと流れ

たりしますので気を付けましょう。パターンを2/3ずつ重ねるようにして、少し遠くから離して重なりが同じかよく

見ながら塗ります

それを3〜4回繰り返したらサフェーサまでの工程が終わりです

良く乾燥させてから見るとペーパー目やスアナがあることがありますので、その時は上記で紹介したラッカーパテ

をゴムベラなどで薄くしごくように塗ってください。乾燥させたら上の手順を繰り返し行い平らで綺麗な状態を

作りましょう

 

ここまでが綺麗に出来ていると、色を上手に塗り終わった時にすばらしい仕上がりになることでしょう

 

また、気が付いたことを追加して記載します

疑問があれば問い合わせください

 

体の安全、健康を守る為に必ずマスク、手袋、メガネ等を着用し、

自分の体は自分で守りましょう

 

 

下地が終われば、後は楽しい上塗りだ〜

 

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